経営財務研究 第41巻 第1・2合併号(2021年12月発行)P56-P72に、ニッセイ基礎研究所上席研究員 チーフ株式ストラデジスト井出真吾様、早稲田大学大学院経営管理研究科教授 竹原均様の共同執筆による論文「商標権ポートフォリオがリスク・リターン特性に与える効果:リスク削減仮説の検証」が掲載されました。
本論文には工藤一郎国際特許事務所が開発したTK値(商標価値評価指標)が用いられました。
本研究では企業が保有する商標権ポートフォリオから推定されたブランドエクイティと企業のリスク・リターン特性との関係を明らかにすることを試みています。金融業を除く国内全上場企業の2019年までの11年間の大規模パネルデータを用いた実証分析の結果、ブランドエクイティは企業の成長性を低下させるが、同時にリスクを低減することが明らかにされたとしています。また、ブランドエクイティは株式リターンを低下させる傾向を持つがリスク削減効果が上回ることでデフォルトリスクを低下させるとしています。企業財務論の視点から、ブランドエクイティ戦略はリスク管理の重要な一手段と結論づけています。