企業の盛衰は事業領域の盛衰に左右される
企業の盛衰は事業領域の盛衰に左右される
~YK値(技術競争力指標)で読み解くSEGMENT MOMENTUM~
今回はYK値を使用し成長性の高い事業領域を分析する記事です。
成長性が高い事業領域=企業投資が活発な事業領域
- 成長性が高い事業領域では企業による投資が活発となります。
- 競合企業の知的財産権を消滅させるための投資活動が活発なセグメントは企業がその投資に見合うリターンが得られる成長性が高い事業領域であると考えていることとなります。
- つまり、YK値が高いセグメントや、YK値が上昇基調にあるセグメントは、成長性が高い事業領域である蓋然性が高いということです。
成長性が高い事業領域はどこか?
YKS技術業種分類 大分類の中で、YK値の値及び伸びが大きいセグメントを調査します。
YKS技術業種分類 大分類中、YK値の値および伸びが大きいセグメントは、
- 素材セグメント
- 食品・医療・バイオセグメント
ということがわかりました。
それではさらに、
YKS技術業種分類 大分類>中分類
と見ていきましょう。
各大分類下の中分類は以下のとおりです。
次に、
大分類:素材
>中分類:化学合成樹脂
さらに下にある小分類についてYK値推移グラフを見てみましょう。
中分類 化学合成樹脂 の配下にある小分類について、
小分類「樹脂製品」が他の小分類を引き離しています。
小分類「樹脂製品」には、プラスチック材料からなる積層体、ゴムの処理、有機高分子化合物に関する技術が含まれます。 プラスチック材料からなる積層体では、高機能なシー ト類が多く含まれます。 これらは、位相差フィルムや光反射体に見られる様に薄型ディ スプレイの部品として使われるものや、合わせガラス用の中間膜などガラス 製品に使われるもの、また、医療用に使われるもの等があります。
小分類「樹脂製品」での有力企業の敵対・協力関係をYKS MAPで見てみましょう。
赤色矢印は特許に対する攻撃を、緑矢印は共同出願関係を表します。
では、小分類「樹脂製品」の上位3社の有力特許を見てみましょう
三菱ケミカル 黒崎事業所
DNP 大日本印刷
旭化成
3社の特許を比較
3社の有力商品例
まとめ
以上の分野は急成長している分野であり、化学のセグメントに属している企業のみならず、広く素材セグメントや、都市インフラセグメント、エレクトロニクスセグメント、などの他のセグメントを主要な事業領域としている企業にとっても主要事業の周辺領域としてターゲットにすべき領域と言えます。